皆さん、こんにちは。カンボジア自転車プロジェクトの安田です。今日は12月23日。いよいよ帰国です。どちらかといいますと日本についてからのことをお話ししたいと思います。
ここでいつものご留意事項が1つ。毎年のことなのですがこのカンボジア訪問は渡航費用・滞在費は安田の完全自費で行っております。
皆様からご協力いただいたご支援金は自転車や修理クラブ用の工具や交換パーツの購入、寄贈セレモニー等の実施費用、クラウドファンディング手数料と返礼品などの準備・発送にかかる活動運営費などに使用させて頂いております。
だから、プロジェクトから脱線した活動をしているときは安田自腹ということで、『おいらたちの金で何遊んどるねん!』って怒らないでください。よろしくお願いします。
あっ
カバンの中をチェックしていましたらビール缶の当たりが記されたプルタブが2つ。いつも最終日にジョンに渡していたのが2つ残っていました。来年までとっておいて渡したいと思います。ちなみにこのプルタブ。「1缶当たり」といいましても無料ではなく交換料として500リエル必要です。だいたい缶ビールは1本2500リエルだからお得なのはお得なんです。そして当たりがでる確率はとても高く、ときどき、「2缶当たり」や「1ドル当たり」というのも引き当てたことがあります。一等賞はなんと車です!!
日本に向けて移動
こちらプノンペン→北京便での機内食。エビ雑炊。あれっ、パンが載ってない。まぁいいや。ちなみにプノンペンでは出発が1時間15分遅くなりました。北京での乗り継ぎ時間が2時間40分という超短め便利コースのフライトプラン。これで残り1時間25分となりました。
でも、予定通り北京に到着し乗り換えも問題なし。関西空港行きの飛行機に乗り込みましたらそこで1時間缶詰。なんだか荷物を積むのに手間取っているみたい。まぁ関空に着くのは別に遅くなってもいいので大丈夫。
こちら北京→関空便の機内食。チキンです。
「あれっ、水飲んでる。ビールじゃないの?」
はい。日本についたら車運転しないといけないのでおとなしく水です。
生コーヒー豆の輸入手続き
無事に関空に到着しました。これで終わりと思いきや、とっても重要なミッションが残っています。それは持って帰ってきた40キロのコーヒー生豆の輸入手続きです。
まず、生豆なので「種」にあたるため植物検疫の手続き。これは目視でいつも簡単なチェックで終わりです。荷物タグに検疫済みのハンコをいただきました。
そのあと、税関のところにいって職員さんに説明。
「コーヒー生豆を持って帰ってきました。販売もするので食品輸入の届出をしなければなりません。一度空港を出て関西空港検疫所食品監視課に行ってきます。そのあいだボンドさん(保税倉庫)に荷物を預かってほしいのです」
と、もう何度か行ったので説明もスムーズ。でもスムーズじゃないのは関係者たちです。いつも小さいながらも何等かのトラブルに見舞われます。
今回は税関の職員さんAは「はいはい。わかりました。」と安田を誘導。職員さんBに「ということだから。」とバトンタッチ。どうみてもAさんはわかっていない様子。胸のバッチは☆3つ。Bさんは2つ。Bさんはよくわかっている方でした。
Bさんはボンドさんに連絡して保税倉庫の担当者が来てくれました。なんと3人。そのうち1名のCさんはどうも新人さんのよう。そしてなんと・・・漢字書くのもたどたどしい東アジア風の人。Cさんは税関のBさんに「荷物はこの2つですか?」と聞き、Bさんに「それはご本人さんに聞くことでは?」と正されていました。保税倉庫の先輩?のスタッフ2名から色々教えてもらいながら進めていきます。書いている伝票の漢字が・・・まぁそこはいいとして。すでに渡してある携帯品申告書にはしっかり「コーヒー豆40キロ360ドル」と書いてあるのですが、「中身は何ですか?」と尋ねてくるしまつ。新人さん教育はいいとしてもここまでひどい状態で安田を実験台にしないで・・・ちなみにこちらの保税倉庫さん、去年は預かり料金を高く取りすぎていて領収書を書き直すのに職員3名がかりでたっぷり時間をかけていました・・・関空さん、運営企業さん変えた方がいいと思います・・・
今回の預け料は5000円。いまどき現金のみ。皆さん、安田のような手続きをするときはこのときのために預け料と納税のための日本円の現金、あとで出てくる免許証は必須です。忘れないでくださいね。
で、なんとか保税倉庫さんに荷物を預けていったん到着ゲートから出てきました。そのまま直行で関西空港検疫所食品監視課へ。一般の人が立ち入りできないエリアなので通行許可証のようなものをもらって(免許証が必要)バスで検疫所へ。
バスでは一駅なのですが歩くと結構あります。
到着しました。
こちらの書類もその場で一から書くと大変なので出国前にきちんと作って、ハンコを押したものを2枚(必ず2枚必要です)用意しておきました。いくつか質問を受けて問題なく届け出完了。
このハンコ押してもらった届出書の紙をもって再びバスで戻り税関へ。
今度は税関の裏口のような入口から入っていきます。窓口の若い職員さんに説明しても的を得ない。後ろからベテラン職員さんが出てきて再入場。どこも人員不足なんでしょうか。あるいは安田がやっていることがすごく特殊すぎるのでしょうか・・・
中の税関の職員さんに食品輸入届出の紙を見せて、ボンドさんから荷物を受け取り、そして納税・・・
安田:「あの、その食品輸入届出書返してください」
職員D:「いえ、これはこちらで預かりますので返却できません。」
安田:「いえいえ、昨年も返却してもらいました。そもそも返却してもらえないのならこのコーヒー豆が販売用としてきちんと輸入手続きしたものだとどうやって証明するのですか?」と、もういいかげん切れ気味の安田。
職員D:「では、コピーをいただきます。」
「では」ってなんやねん!最初の一言はDの誤りであって、それをあたかも当然のようにしれっと言う。税関ですよ。税関。「あなた方プロじゃないのか?適当なことを言うな!」と怒鳴り散らし・・・ませんよ。安田は大人ですから。
そして「ただいま!」
そんなブチ切れ寸前のことがあったことは忘れて満面の笑み、目力100%で自撮り。これまで16日間のカンボジア滞在を応援してくださった皆さんへのお礼の気持ちを込めてSNSへ投稿。
これにて安田のカンボジア滞在記2024は完了です。まだパーツ補給が数カ所残っていますが、それはEDFカンボジアのメンバーが後日行ってくれることになっています。
振り返り
簡単にこの滞在を振り返ります。
- 新しく活動エリアがバッタンバン州、ポーサット州に広がりました。いつか全部の州をまわりたいです。
- 自転車310台を寄贈するために6カ所で寄贈セレモニーを行いました。そこでは初めてクメール語でのスピーチに挑戦。またカンボジア国家も大きな声でみんなと歌いました。これは来年以降も続けていきます。
- 自転車修理クラブも新たに6つできました。これで合計44カ所となります。来年はこの44カ所のパーツ補給が必要となります。
- 今年は38カ所のパーツ補給を行いました(一部はこれからですが)昨年、在庫が空っぽになっているクラブもあればいまいちのクラブもあって、「もっと有効活用してもらいたい」との思いで「自転車修理クラブの運営について」の注意書きを工具箱に貼り、先生と生徒たちに説明することにしました。「先生がうまくやってくれるだろう」という期待は捨てて、きちんと有効活用してもらうための工夫です。これも毎年続けていきます。
- 途中のオフ日に学生服のシャツを子どもたちにプレゼントすることができました。それはとても楽しいことだったのですが、なんとそこの校長先生が翌日に急逝。池の水が有毒だったみたいで計6名が亡くなったとのことです。チャンディさん曰く、車など移動手段が無いので病院にも行けなかったそう。もし行けたとしたら助かったかもしれないとのことでした。貧困は学校や病院へのアクセスも困難になってしまいます。そして明日をもしれない命の尊さを再認識し、今日・明日を一生懸命生きようと強く思いました。
- 最終日はチャンディさんの息子さんの結婚式に参加。EDFカンボジアの過去のスタッフさんとも再会。なんだか同窓会みたいと最近退職されたマブさんが言っていました。その同窓会に安田も加えてもらったことがとてもうれしかったです。自転車プロジェクトが始まったころに関わっていたシナさんは今年310台の自転車をプレゼントできたことを聞いて規模が大きくなっていることにびっくりしていました。びっくりさせることができて本当に良かったです。
- 安田個人で奨学金を支援している4人の奨学生にも再開できました。最年長のリンナちゃんはあと1年で看護師になる夢をつかみます。セン・ニサちゃんは教員養成学校に向けて再チャレンジです。スレイ・フォスちゃんは高校1年生。高校生活を楽しんでほしい。ロセカちゃんはお父さんを亡くしてとっても悲しいけど新中1年生としてがんばって勉強してほしい。みんなすごい環境に苦しんでいる中、頑張り屋さんばかり。安田はとっても元気と勇気をいただきました。
- 今回はPちゃん、ユズキちゃん、オダギリ君、吉川さんと過去最高の同行者数となりました。いろいろと手伝ってくれるのもそうですが、移動中にいろいろな話ができたことが安田のなかで自分も気づかない「安らぎ」だったと感じました。みんながいなくなった後半。寂しいような・・・でも立ち上げ当初、ずっとEDFメンバーと安田でやってきたのです。でももっともっと色々な人たちにこのプロジェクトを見てほしいと思いました。それは見てくれた人がその体験を多くの人に話してくれるだろうからです。カンボジアの子どもたちの環境。そして自転車プロジェクトのこと一人でも多くの人たちに知ってもらいたいです。
- そして、いよいよ来年2015年は10回目の節目となるカンボジア自転車プロジェクト2025です。10thアニバーサリーです。今年達成できなかった累計2000台の突破をはじめより大きな規模でできますようがんばっていきたいと思います。どうぞ皆さん応援よろしくお願いいたします。
今後の予定ですが、12月中にEDFカンボジアが残りのパーツ補給を終え、写真などを整理する作業が入ります。並行して安田はプロジェクトをまとめたページの作成、報告書の作成、写真の印刷、返礼品の準備などを進めていきます。返礼品の発送は2月になる予定です。今しばらくお待ちください。
最後までご覧いただき、そしてSNSなどで色々激励してくださり、投稿に「いいね」してくださったり、様々なかたちで応援してくださり本当にありがとうございました!