カンボジア訪問記2024 9日目 2024/12/16 そんなことってあるか!

皆さん、こんにちは。カンボジア自転車プロジェクトの安田です。今日は12月16日。現地活動の7日目となります。これまでパーツ補給が続いていましたが、今日からの3日間は自転車寄贈セレモニーと自転車クラブ設立が目白押しです!もちろん安田のカンボジア語スピーチも!

ここでいつものご留意事項が1つ。毎年のことなのですがこのカンボジア訪問は渡航費用・滞在費は安田の完全自費で行っております。
皆様からご協力いただいたご支援金は自転車や修理クラブ用の工具や交換パーツの購入、寄贈セレモニー等の実施費用、クラウドファンディング手数料と返礼品などの準備・発送にかかる活動運営費などに使用させて頂いております。
だから、プロジェクトから脱線した活動をしているときは安田自腹ということで、『おいらたちの金で何遊んどるねん!』って怒らないでください。よろしくお願いします。

今日のスケジュールと訪問場所

日付 学校 内容
2024/12/16 AU DOMBANG PEI 自転車寄贈セレモニー
自転車クラブ設立
バッタンバン SANGKE
MOUNG RUSSEI 自転車寄贈セレモニー
自転車クラブ設立
Samraong
生徒2名の家庭訪問

今日の訪問場所はカンボジア自転車プロジェクトでこれまで活動したことがないバッタンバン州です。午前と午後それぞれ自転車を寄贈。そして自転車クラブを設立します。最後は生徒さん2名の家庭訪問です。

朝ごはん

いつものクイテウサイチュルーク(豚肉がのった米麺)ではなく、バーイサイッモアン(鶏肉がのったご飯)にしました。といいますのも、ここのレストラン、頻繁に現れるのです。

だから骨がついてそうなメニューにしてみました(#^^#)

バッタンバン州SANGKE郡での活動

朝食後、AU DOMBANG PEI中学校に移動してきました。ここで自転車寄贈セレモニーと自転車クラブの設立が行われます。

まずは自転車セレモニー

まずは入場の様子を動画に収めましたのでどうぞ。

すぐにセレモニーかと思いきや、まずは自転車にプレートなどの取り付けを行いました。

今回セレモニーに参加いただいている人たちを撮影しました。

「親御さんはいいから子どもたちの写真は?」と思うかもしれません。

安田はこのセレモニーの主役は子供たちではなく親御さんだと思っています。こうした特別のときが無ければ親が学校に来ることはほとんどありません。この機会を絶好のチャンスにするべく先生方は教育の大切さ、自転車の大切さ、学校に通い続けることが貧困脱出の大きな手掛かりになることを伝えます。

自転車寄贈セレモニーはYouTubeで生配信することができました。

生徒代表のスピーチからはこちら。

安田のスピーチから見たいかたはこちら。

セレモニーが終わったら個別写真の撮影です。

吉川さんが番号のチェックをしてくれました。

とすれば。。。。「あれができる!!」

何かといえば、撮影を待って暇そうにしている子供たちへの突撃インタビューです。

では、自転車をもらった子どもたちのうれしそうな笑顔をどうぞ。

次は自転車クラブの設立!!

次はこのセレモニーが行われた学校に自転車修理クラブを新規に立ち上げます。こちらの写真は工具と交換用の部品。

自転車修理クラブの運営の注意書きの説明。

そしてありがとうメッセージビデオの撮影です。

こちらは自転車を修理している様子です。

最後に子どもたちのうれしそうな笑顔の写真をどうぞ。

昼ごはん

午前の活動を終えてバッタンバンの中心地に戻って昼食です。

鶏肉とカリカリ(多分お芋さん)の炒め物。

魚のすっぱいスープ。

牛肉とキノコの炒め物。

お昼ご飯後、これまで同行してくれていました吉川さんを移動バスのステーションまでお連れしました。

吉川さん、13日~16日までの4日間ありがとうございました!

バッタンバン州MOUNG RUSSEI郡での活動

午後の部スタートです、まずは入場の様子からどうぞ。

入場行進が終わりましたら、みんなでセレモニー開始前の準備です。

自転車セレモニー!

そしてセレモニーの開始です。今回もYouTubeの生配信を行うことができました。

カンボジア王国の歌の斉唱。

安田スピーチ。ちゃんと安田の方にカメラを向けてみました。

セレモニーが終わったら個別写真の撮影です。

では、最後にうれしそうな子どもたちの笑顔の写真をどうぞ。

次は自転車クラブの設立!!

セレモニーが済みましたら自転車修理クラブの設立です。 

自転車修理クラブの工具や交換用部品たち。

自転車修理クラブの注意書きの説明をするヴィリャックさん。

ありがとうメッセージビデオの撮影。

そして、自転車修理の実演です。

では、最後に集まった子どもたちの笑顔の写真をどうぞ。                

生徒さんたちの家庭訪問!!!

次は2軒の家庭訪問です。

Phal Sophart君

まず一人目はPhal Sophart(ファル・ソパート)君。写真に写っているファミリーの一番左です。彼は今14歳。6兄弟。上にお姉さんが一人。ソパート君が2番目で、残りの4人は写真にうちっている通りです。ちなみに隣が妹で小5。身長抜かれてますね・・・

ソパート君は数学とクメール語が好きなんだとか。彼は将来の夢というのは明確には見つけられてなくて、なんと「自転車修理屋さんをやりたいかな・・・」という一言。それならば手に入れた自分の自転車でいっぱい練習してねとお伝えしました。ちなみに小5の妹は小学校の先生になりたいんだとか。

生活環境でいいますと、お父さんは建設現場の作業員。もちろん定職ではないため収入は安定しません。写真に写るお母さんは農作業を手伝う仕事をしているのだとか。

GNOEB LISちゃん

2軒目はリスちゃんの家に訪問です。

お父さんは42歳でタクシー会社の雑用係として働いています。お母さんはヒザが悪く仕事ができないそう。

リスちゃんは5人兄弟でちょうど真ん中。上は19歳と17歳で高校で勉強中。3年生の弟と4歳の妹がいます。

少しいけない考え方なんですが、両親が健在でお母さんも3年生の弟もふくよか。といいますか、あきらかい肥満体形。一方的な考え方で偏っているのを承知で言うと、貧困家庭のイメージとミスマッチ。もちろん、皆がやせ細っているよりいいに決まっているのですが、ここに支援する側のわがままがあります。極端な意見で反感を買うことを恐れずにいいますと「支援される側はみすぼらしくあるべき」という支援する側の偽善的な見方が安田の脳裏にチラッと現れてきました。すみません。でも、偽善的ボランティア支援の可否を問う様々な書籍によく出てくる話です。(すみません。ここについてはあまり指摘・意見しないでください。そう感じてしまったという素直な感想を述べただけです。)

話を戻します。リスちゃんはクラス52人中5位の好成績。将来は小学校の先生になりたいんだとか。友達もたくさんいて学校生活は楽しいと言っていました。

以上で今日の日程終了です。

夕食

ホテルに戻ってきました。集合時間は1時間後。いつも通り洗濯をすませて夕食に出かけていきました。

「いつも同じお店やなぁ」

ということでホテルの人におすすめのお店を聞いてみていってみることにしました。

なんと、このお店、アンコールビールの大ビンが!!初めてみました~!!

グリーンピース。

ドライフルーツ。

牛肉とインゲン豆の串焼き。

野菜のピクルス。

牛肉のたれ焼き。

バナナの花と鶏肉のサラダ。

これからのなんやらかんやら

さて、アンコールビールの大ビンをメンバーでどんどん開封していく中でいい感じに。話は色々なところに多岐に及びました。

リンナちゃん

思いがけず奨学生のリンナちゃんの話になりました。安田が初めて彼女に会ったのは中学1年生になったときでしたが、チャンディさんは小学4年生のときの彼女に会ったことがあるとのこと。それもそのはず。彼女には3歳上の兄がいて、彼が中学1年生になったときにダルニー奨学金の奨学生に選定されチャンディさんが家庭訪問したときに会ったことがあるとのことでした。
実は安田はリンナちゃん一家の家庭環境についてわかっていないことがあります。それは両親に会ったことがないことです。チャンディさんの話によると離婚してしまってお母さんの方は病気を抱えているとのことでした。
会っても会えなくてもいいのですが、リンナちゃん一家のこれからの幸せを祈るばかりです。中1以降のリンナちゃんしか知らない安田は「当たり前やけど、リンナちゃんにも小学生だったころがあるんやなぁ」と意味不明なことを考えていました。

移譲

チャンディさんは62歳。安田は先日誕生日を迎えて53歳。なんとなくこの先のこととかを考えてしまう世代です。
またまたアンコールビール大ビンのせいにしちゃいますが、あまり触れないことを触れてきました。
チャンディさんに「少し重要な役割をヴィリャックさんに任せてみたら?」という提案をしてみました。さまざま重要なプロジェクトがあるなかで一番重要なのは奨学金。安田の自転車プロジェクトはEDFカンボジアにとってそれよりもっと下です。「だったら自転車プロジェクトの式典のすべてではなくても1回ぐらいヴィリャックさんにスピーチを任してみたらどうか?」という提案をしました。チャンディさんが部下の二人にスキルアップの大切さを伝えていて、例え話に「安田がクメール語でのスピーチにチャレンジした」ことを挙げられていたのをすくい取ったわけです。そしてその場はEDFカンボジアとの信頼関係が深くできているコンポンチュナン州がいい。コンポンチュナン州で自転車セレモニーを開いてヴィリャックさんに一回スピーチを任せてみては?いきなりは難しいだろうから、チャンディさんが隣に座って、「今回は練習もかねてうちのスタッフがスピーチをします。よろしくお願いします」と事前説明をすればよい。なんてことを伝えました。
チャンディさんは明らかに難色を示していました。「彼らは彼らなりにバトンタッチしたら新しいやり方をそのとき試せばいい」と言いました。もちろんその通り。でも、やりがいのある役割を渡していかないと「バトンタッチ」する前に彼らはやめていくんです。「先輩からやめていく組織」をEDFカンボジアは安田が知っているだけで9年続けてしまっています。
もちろん、こんなことは民際センターさんやEDFグループで考えてもらえばいいこと。安田がでしゃばることではありません。でもそんな後継者育成のために自転車プロジェクトを使ってもらえればそれはそれで有意義なことだと思っています。

謹んでお悔やみ申し上げます

今日、ちょっと信じられないことが起こりました。

昨日、バッタンバン州のKRALANH小学校に学校の制服の白シャツをプレゼントしにいった報告をいたしました。

カンボジア訪問記2024 8日目 2024/12/15 制服シャツプレゼント!

そこでお世話になりました校長先生。

私たちが帰ったあと、お亡くなりになったとの知らせを受けました。

と、いいますのも、安田は制服を入れていた大きなバッグを置き忘れてしまったのです。チャンディさんが校長先生に電話で連絡して翌日取りに行くからと約束していました。

そして午前中私たちが自転車寄贈セレモニーなどを実施している間に、車のドライバーさんが取りに行ってくださったのです。そこで今回のことを知らされてチャンディさんや私に伝えてくれたのです。

死因は・・・水です。詳細はわかりませんが、井戸か近くの池から水を調達していたと思われます。その水を飲んで校長先生を含む6名が亡くなられたとのこと。急に猛毒な成分が出てきたのでしょうか。

先生たちのご冥福をお祈りすることはもちろんですが、残された子供たちの将来が心配です。この先どうなっていくのでしょうか。もちろん大変な未来が待っていることは容易に想像できます。それでも、それでも、少しでもいいから、子供たちの未来が真っ暗闇ではなく光が射すことを願ってなりません。

最後に

今日、現地活動を続けてきて初めて日本勢一人ぼっちになりました。

初日、隣にはPちゃんがいて、

次の日もPちゃんがいて、

その次の日はユズキちゃんとオダギリくんがいて、

その次の日から3日間は吉川さんがいて、

今日の13時。吉川さんと別れて、隣の席には誰もいなくなりました。

もちろん、寂しいのですが、実はこれがカンボジア自転車プロジェクトの本来の姿。キャラバン隊に安田一人乗り込み、カンボジアを走り回るわけです。弱音をはくとチャンディさんがこういいます。「いつも我々はそうしてやってきたじゃないか」と。

今日はやはり何より忘れられないのは小学校の校長先生の急逝がショックでした。

人の生き死にについて思うことをダラダラ書きます。

明日は来るのでしょうか。

当たり前だと思っている明日は本当に来るのでしょうか。

来ないとしたら、やり残したことはないのか。

本当に今晩死んでしまうことがあったとしたら、「お前、本当に一生懸命生きたか?」に答えられる自信がありません。

「この1日は、誰かがどうしても生きたかった1日。」と思いながら過ごす。それは現実にはしんどいことだけれども。

「幸せに生きること」

上を見ても仕方がありません。

他人をうらやんでも仕方がありません。

他人を批判しても一時的な満足でしかすぎません。

結局、「足りていることを知る」ことに幸せがあるように思います。

校長先生は思いがけず訪れた悲しい出来事にきっと自分のことよりも残された子供たちの将来を憂いたことでしょう。彼の無念に対して何一つできることはありませんが、その1日前に、彼の愛する娘たちにシャツを届け笑顔の花を咲かられたことは良かったと感じています。

もう一度。

「この1日は、誰かがどうしても生きたかった1日。」

明日はバッタンバン州とポーサット州で自転車寄贈セレモニー。一人でも多くの子どもたちを笑顔にするために全力でがんばります。

皆さんの応援が力になります。その力を子どもたちにしっかり届けます。

今日も最後までご覧いただきありがとうございました。

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