こんばんは。カンボジア自転車プロジェクトの安田です。
今日から新しいシリーズ「看護師目指してがんばるリンナちゃんからのお便り」を不定期投稿してまいります。
昨日の1月7日、写真が2枚とどきました~
説明はあとにしてまず1枚。
リンナちゃんって誰?
新連載1回目なのできちんと説明いたします。
リンナちゃんは2015年から支援をしている、安田にとっては初めての奨学生です。こちらの写真はその2015年、民際センターから送られてきました写真です。2015年にカンボジアを訪問し実際にあってきました。そのときは「将来は看護師さんになりたい」と夢を語ってくれました。
3年後、に再び会ったとき、「進学したい。支援をお願いできないか。」というお願いをうけて民際センターさんの奨学金制度「ダルニー奨学金」とは離れて自分で高校で勉強するための支援を継続しました。
こちらが高校3年生となったリンナちゃん。無事高校を卒業しました。
高校を卒業したあと、近くの工場で働きだしたと聞きました。(コロナの影響で安田が彼女に会いにいけなかったため、EDFカンボジア(民際センター)さんから聞いた話です)
その事情は簡単に離すと、「看護学校が学校から遠いところにしかなく、寮に入ると祖母の世話をする人がいなくなる。」ということでした。そればっかりはどうしようもない・・・と安田は口出しせず彼女の幸せを願っていました。
こちらは2022年のとき、コロナがあけて3年ぶりにリンナちゃんに会ったときの写真。
当時のことを綴った安田のブログから引用します。
彼女、今は衣料関係の工場で働いています。月給は200ドルほど。ちなみにカンボジア政府は2023年の最低賃金を200ドルに定めました。※2022年は194ドル
だから最低賃金に近い収入となります。ただ、安田はこれを肯定的にとらえています。最低賃金なんか守られていない国なんです。農業従事者や日雇労働者は仕事が安定せず最賃なんかよりもっともっと安い賃金で働いています。彼女は高校を卒業し工場勤務という安定した仕事を得て2022年の最賃以上の収入を得ているわけです。彼女の家庭の貧困度合いはそれはすさまじく、2015年に訪問したときに「あなたの家庭が村の中で一番貧乏です」という村役場からのお墨付き(これがあると病院などが無料になる)を見せてもらったことがあります。
がんばって働いて貧困脱出。カンボジアの子供たちは皆、「貧乏だから金をくれ」とは言いません。「貧乏から抜け出すチャンスがほしい」と言います。彼女は看護師の夢は横においた状態ですが、貧困脱出のきっかけとなるチャンスをきっちりつかみ、努力し、そして自ら切り開いたと思っています。そんなことを思っているとまた涙腺が崩壊しそうに・・・泣きませんけど・・・安田の涙は1円にもなりませんから。
そうそう、彼女。念願のスマホをゲットしていました。51歳のオッサンが19歳のレディに「SNSでつながりませんか?」と申し出。リンナちゃん、本当にごめんなさい。あの環境では断れないよね。あとでブロックしてもいいからね(^^;
というわけでSNSでつながることができました。
そして彼女にメッセージを伝えました。
「もし、何か困ったことがあったら、EDFのチャンディさんでも安田でもいいから必ず連絡ください。力になります。そのために仕事がんばります!」と。
看護師の夢の話は一切しませんでした。
夢なんか実現しなくってもいい。
夢なんか何回変わってもいい。
夢なんか無くってもいい。
とにかく幸せになってください。
会ってすぐ、挨拶を済ませたときに彼女は「中学高校とサポートしてくれてありがとうございました。進学できなくてごめんなさい(チャンディさん通訳)」といいました。あなたは謝ることなんて一つもしていない。ずっと貧困のなかでがんばってきたあなたにずっと勇気と元気をもらい続けていました。お礼を言うのはこちらのほうです。
そういえば、彼女、今日のために仕事を1日休んでくれたそうです。安田のせいでお給料減っちゃいますね。(有給休暇とかあるのかどうか知りません・・・)ごめんなさい。そして持参したポチ袋を渡しました。クリスマスプレゼントかお年玉みたいなもんでしょうか。もう前みたいに食べ物とかのプレゼントはいりません。一番使い勝手のいいものを渡しました。何かの足しになればと思います。
彼女は終始笑顔でした。その笑顔があればこれからも幸せにやっていけるのではないかと信じています。彼女の将来に1つでもたくさんの楽しいこと、嬉しいこと、幸せなことが訪れることを願っています。
まさかの急展開
スマホを通してSNSでつながったリンナちゃん。ある日、学校の募集要項の写真を送ってくれました。
「そうだよね。学校行きたいよね。いつかいけるといいよね・・・」
なんて、思ってたんです。
でも彼女は「ここの学校に行きたいんです。来月までに申込しなければなりません。サポートしてもらえませんか?」と簡単な英語で伝えてきました。
「えっ、おばあちゃんは?お世話しなくていいの?」と疑問に思った安田は、EDFカンボジアのチャンディさんに間に入ってもらいました。というのもリンナちゃんも安田もブロークンな英語で話していて、細かいニュアンスが伝わらないからです。EDFカンボジアのチャンディさんに連絡を取ってもらうことにしました。そしたら・・・
リンナちゃんは自宅から通える看護学校を見つけてきて、ここの入学を希望している。通う期間は3年間。毎年〇〇ドル必要だがお金がない。だから支援をお願いしてきた。
ということでした。そして
手続きはあと2週間ぐらい。試験は彼女は成績優秀だったからおそらく大丈夫。
とも。
安田の気持ちは1秒で固まり、即送金。「3年間何がなんでもサポートするから勉強して夢をつかんで!」とSNSを通してリンナちゃんにも伝えました。
そんな彼女の自転車
奨学金を通して知り合ったリンナちゃんですが、カンボジア自転車プロジェクト2016で自転車を受け取っています。
下の写真はその翌年2017年に訪問したときのもの。通学に自転車は大切に使われているようでした。
先日SNSのテレグラムで彼女に「あの自転車まだ使ってる?」と聴いたら、「もちろん!」と返事が返ってきました。「もしよかったら写真送って!」とお願いしました。看護学校と病院での実習で超大忙しの彼女。お願いしてから約1か月後、写真が贈られてきました。
そして2023年訪問時の約束
先月(2023年12月)にカンボジア自転車プロジェクト2023のためにカンボジアを訪問。もちろんリンナちゃんにも会ってきました。
前述の1年前のドタバタから今日まで。彼女は看護学校でしっかり学びつつ、カンボジアシステムなのでしょうか、すでにインターンでクリニックで働いています。
24時間体制の月~金で診療しているクリニックでインターンとして勤務。シフトは色々変わるみたいですけど、勤務中は3食食事付き。これで1か月100ドルのお給料をもらえるとのこと。彼女いわく、「勉強中だけど、勉強しながら収入が得られるので助かっている」とのことでした。「大変じゃないの?」と聞きましたけど、学校行く前の職場に比べたらとっても楽だと言っていました。「専門職の高給取り」。これが彼女がずっと追い求めていた夢です。そして貧困脱出。彼女の家族も応援してくれています。
インターンで働くようになって、注射と点滴はできるようになったとのこと。安田が熱中症で倒れたら点滴を彼女にしてもらいたい・・・というオッサンな発想も無くはないですが・・・
もうすぐ2年生(看護学校は3年制)になるので、もちろん2年生の学費もがんばって支援するよと伝えました。
そして、彼女に100ドルのお年玉袋を手渡しました。
「これはプレゼントじゃないよ。1年間お願いしたいことがあるから、これはある意味その作業の給与みたいなものだと思ってください。」
と伝えました。彼女は困惑気味。きちんと丁寧に説明しました。
「看護師になりたいという夢の途中の君のカンボジアでの学校生活、私生活。たくさんの人が興味を持ってくれています。月に1回か2回ぐらいでいいので、学校生活や休日のことなどSNSのメッセージで写真と説明を送ってくれませんか?それを僕はブログやSNSで発信します。興味を持ってくれる人は多いと思うし、自転車の支援につながると思うんです。僕の自転車協力者を募る活動に協力してほしいんです。」
ちなみに彼女のスケジュールは前述の通り。そんな忙しいなか、できるのかな?とも思いますが、今年から彼女を支援対象でもありカンボジア自転車プロジェクトのパートナーとして捉えてお願いしてみました。彼女は快諾してくれました。月1か月2でブログに彼女の様子をお伝えできればと思っています・・・(ということで、今日、この投稿がその第1弾なわけです)
ところで・・・
身長抜かれました。
これが2015年のときの写真。8年経ちました。彼女はいま21歳。立派なレディーに成長し、自分の夢を追い続けています。そんな彼女の人生の一部に関わることができて本当に良かったと思っています。
そして本題(^^;
経緯はわかっていただけましたでしょうか。長い前置きですみません。「いつ届くかな~」と思って楽しみに待っていたところ、昨日1月7日に写真が届いた次第です。
こちらが1枚目。リンナちゃんがインターンで働く職場での写真です。彼女は一番右。左のお二人は先輩看護師さんとのこと。こちらのクリニック、全部で6人の看護師さんがいるのだとか。24時間の交代勤務ですから・・・3人ずつの2チーム制なのでしょうか。
リンナちゃんは「一番したっぱなのに背が一番高い・・・」と恥ずかしがっていました。
こちらがリンナちゃんがインターンとして働いているクリニックです。こちらの写真は安田が訪問時に撮影したものです。
そしてリンナちゃんはもう1枚写真を送ってくれました。こちらは看護学校のクラスメイトとの写真のようです。たくさんの友達にかこまれて楽しそうです。
最後に彼女がメッセージをくれました。
「支援してくれてありがとうございます。私が夢をつかむために助けてくれて感謝しています。このご支援が私が抱えるたくさんの問題の解決につながっています。特に私が勉強を続けることに。この助けがなければ私は勉強が続けられなかったでしょう。感謝しています。」
ダルニー奨学金を始めてみませんか?
私がカンボジアと関わるきっかけとなったのは民際センターさんのダルニー奨学金をインターネットで見つけたことです。そしてカンボジアを含めて5カ国それぞれ一人ずつの子どもたちの支援を続けています。すでに記載しましたとおり、自分が支援している子どもと1対1でつながる支援です。毎年その子の写真が送られてきます。
そしてカンボジア自転車プロジェクトへのご支援もご検討ください
※まだ2023年の返礼品の発送も終わっていない状態で2024年の支援のお願いをすることをご容赦ください。2023年のプロジェクトの最終報告書、写真、返礼品は2024年2月までに必ず発送いたします。
皆さまからのご協力お待ちしております!
こちらのページよりお申込みください。
また、クレジットカード等の利用をご希望される場合は、Yahoo!ショッピングの方もご利用ください。
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