お父さんのためにお医者さんか看護師さんになりたいという女の子。でも・・・

DSC_0163今日は昨年訪問した際にすごく印象に残っている女の子のことを書きます。

この女の子の話を聴いたとき、前回のブログに書いた宿命と運命のことを強く思いました。

1枚目の写真に写っている子が地元の中学校に通うAちゃん。(ちなみに右側の男性がとってもお世話になっているチャンディーさん。クメール語を英語に通訳してくれてます)

DSC_0170トタン板で作られた小さな家にお父さんと住んでいます。隣にはお父さんの母親(Aちゃんのおばあちゃん)が住んでいます。Aちゃんの左側に写っている女性がそうです。とっても高齢です。お父さんが病気で農作業が行えず農業からの収入は殆ど得られない状態です。そのため厳しい生活を強いられています。お母さんは蒸発してしまって何年も帰ってきていないそうです。

DSC_0166Aちゃんは収入を得るために学校に行く前と後でチャンディーさんの足元に写っている藁で編んだカゴを作っています。1日で作れるのはせいぜい2個。1個1ドルで売れるそうで計2ドル。これがAちゃん一家の唯一の収入です。ちょうど真ん中に自転車が写っています。学校までの距離が10キロ以上離れているため、この自転車が無ければ通学に時間がかかりすぎ、カゴを編む作業ができなくなります。収入が得られなければ生活できませんので学校に行くことよりカゴを編むことが優先され、学校に通うことをやめてしまうでしょう。自転車は教育を受け続けるためのとても重要な要になっています。

この写真の後方にAちゃんのお父さんが写っています。ずっと体全体が痙攣しています。どのようなご病気なのかわかりませんが、これでは仕事ができないことは明らかです。Aちゃんはお父さんを助けるために将来医者か看護師になりたいと言っています。

「そうか!!がんばりなよ!!」

で、済む話ではありませんでした。

医者や看護師になるためには高校、大学と進学しなければなりません。それはAちゃんの努力や奨学金をうまく使えば叶うかもしれません。ただ高校、大学に通うために地元を離れる必要があります。そうなるとAちゃんのお父さんが一人になり介護する人がいなくなります。おばあちゃんは高齢のためどこまで助けてもらえるかわかりません。だから高校や大学に通うには今のこの状態を解決する「何か」が必要なのです。

そうした話をチャンディーさんから聞いたとき、私はどう言ったらいいかわからず言葉を失いました。その「何か」についてまったくアイデアが出なかったからです。

Aちゃんは医者や看護師になる夢を諦めなければならないのかもしれません。或いはその「何か」が得られて夢を実現する道が見えてくるかもしれません。

その「何か」とは「チャンス」とも言えるでしょう。或いは「救いの手」かもしれません。安田が奨学金支援をする理由を聞かれたときにいつも言うことなのですが、『いつか来るかもしれないチャンスをしっかりつかむには教育が必要だから』なのです。

前のブログで宿命や運命について書きました。

「命を運ぶ運命」

どう運ぶのかは自分次第。自分次第でどうにでもなる。

それは残念ながら嘘です。どうにもならない宿命があります。

ただ、その宿命を打ち破るチャンスは来るかもしれません。

Aちゃんのような子どもがちゃんと中学校に通えるようにと願ってやみません。

引き続き、皆さんからのご協力、お待ちしています!!
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カンボジアの子ども達と「運命」と「宿命」

DSC_0190安田コンサルティングの安田です。

今日はカンボジア訪問の際に思ったことをちょっとを書きますね。

この写真は私が奨学金支援をさせていただいている女の子のご家庭を訪問した際の写真です。私が手に取っているのは彼女が勉強中だと持っていた英語の教科書です。

DSC_0202彼女はその勉強を親の仕事を手伝いながらやっています。ゴザの上に巻かれている木の破片のようなものは煎じて飲むと妊婦さんに良いとされているものだということでした。これを売ってお金に変えて生活費の足しにしています。

彼女はそうした家庭に生まれてきたという宿命を背負っています。誰しもが生まれながらに背負っているものや環境があります。それが宿命であって変えることはできません。

そして彼女は「今の生活を変えたい」と言いました。背負った宿命から自分の人生をどう歩んでいくのか。それは命を運ぶことであり「運命」です。運命は変えることができます。ただし厳しい環境に置かれていると運命を変えることの難易度は非常に高くなります。

周りの人たちができることと言えば、その難易度を下げるための機会を提供するだけだと感じています。「難易度を下げるための機会」という何とももどかしい表現ですが・・・

機会はチャンス。チャンスは確率的なものであってつかまなければ何も起きません。チャンスをつかもうと手を伸ばすことすらできない環境があることも今回の訪問で知りました。手を伸ばすだけでもできる機会、その回数を増やしてあげる機会、手の先に持てるチャンスをひっかける「教育という道具」を得られる機会。

色々な機会を。それが奨学金であったり今回の自転車だと私は思っています。

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