訪問報告(8)カンボジア訪問記続編:ジョンの自宅にホームステイ

こんばんは。安田です。いまこのブログを書いているのは24日午後8時。日本では3連休ど真ん中ですね。カンボジアでは一部の観光客と一部のショップがクリスマスムードなだけで通常と殆どかわりません。

さて、23日の報告をします。自転車プロジェクトの学校訪問を無事終え、今日は月曜日にジョンが提案してくれた素敵な小旅行に出かけます。それはベトナム国境近くにあるジョンのおうちにホームステイ。去年はプノンペンに出稼ぎに来ているジョンの仮住まいにお伺いしましたけれど、今回は車で3時間かけて奥さんやお子さんに、そしてご近所さんファミリーに会いに行きます。

img_20161223_062407img_20161223_062550その前に、ここ3日間車で悪路を走り続けた影響で体がカチコチになっていたので、朝ランに出かけました。月曜日はメコン川を下ったのですが、今日はその支流トンレサップ川を上りました。何故ならそこには日本とカンボジアの友好の橋があるからです。この写真はその橋から日の出を撮ったものです。

この橋。最初にできたのは1966年。日本の援助でできたので日本友好橋(通称「日本橋」)と呼ばれています。しかしその輸送経路の重要度の高さから内戦時に爆破されてしまいました。内戦終了後しばらく爆破された状態のままだったのですが、これからの新しい時代の象徴として橋を修復しようと当時のSNC議長だったシアヌーク殿下からの依頼で日本は協力を快諾。1994年に再建されました。そしてその11年後の2005年、痛みが激しくなってきた橋を再度修復することにも協力しました。2枚目の写真はそのときの記念プレートです。
img_20161223_063011渡りきったところには国道6号線の行先案内が。この道をずっと進むとシェムリアップ。そうアンコールワットです。いつか行ってみたいなぁと思いつつ、それはいつかのお楽しみにとっておきましょう。この6号線の整備も日本のODAによって行われました。友好橋と6号線の整備。これによってトンレサップ川を渡った側の地域は大きな産業発展を遂げます。それに目をつけたのが中国。日本橋に並行して中国友好橋を建てるややなや同地域の開発に力を入れ今ではたくさんの中国企業が乱立しています。並行に2本の橋が出来たわけですが、そのど真ん中にimg_20161223_063204こんな記念碑をつくっちゃいました。これだと2つの橋両方が中国の支援でできたように思えちゃいますねぇ・・・こんなとき中国側から「うちも協力して橋作ったけど、カンボジアと中国と日本で記念碑つくらない??」なんて言ってくれる国だったらいっぺんに好きになるんですけどねぇ・・・残念。

img_20161223_063517さらに少し先に行くとアンコールワットの石像を思わせるオブジェが。これがものすごくでっかい!!アンコールワットへの思いをさらに強く馳せてランニング終了です。日本からはもちろんシェムリアップへの直接飛行機という手もありますが、プノンペンからバスや先日少し触れたクルーズなんかもあるので、時間にゆとりをもって旅したいものですね。

img_20161223_120955さて、いよいよジョンの自宅に向かって出発。車にはジョンと私以外に、自宅周辺の地域からプノンペンに出稼ぎにきているファミリー(いわゆるご近所さん)もご一緒しました。この人たち。本当に楽しいし、ジョンの自宅での生活に色々な楽しさを増やしてくれました。

ジョンの車の車種はトヨタのカムリ。カンボジアではバイクのホンダの知名度はかなりもののですが、車に関してはジョンはカムリがメーカーの名前だと思ってたぐらいで、トヨタの名前はあまり知れ渡っていませんでした。それでも街中を走ってる車はトヨタばかりでしたが・・・

ジョンの自宅はスヴァイリエン州にあります。ベトナムとの国境に近くに位置しています。プノンペンから車で片道3時間ぐらい。とのころ。

プノンペンからベトナムのホーチミンへ続く国道1号線をひたすら進みます。img_20161223_133251すると黄色が鮮やかな斜張橋が見えてきました。これはその名も「つばさ橋」。日本が120億円供与して建設された橋です。この橋でホーチミンまでのアクセスは抜群に良くなったそうです。ちなみに国道1号線はAH1号線(AHはアジアンハイウェイ)にあたります。あまり日本では聞きなれない言葉ですが、実は起点は東京です。ベトナム、カンボジア、タイへとつなぐアジアの主要幹線道路なのです。

img_20161223_141343sドライブは途中でスナック菓子としてコオロギが登場したり、宴の材料となる野菜、豚肉、メコン川で採れた魚などを買いながら進んできます。ちなみに豚肉屋さんはこんな感じ。当然冷蔵庫などには入っていません。右端に頭も写っていますね。沖縄のチラガーを思い出します。

img_20161223_144747sいよいよジョンの自宅が近づいてきました。1号線を右に折れるといきなりこんな感じです。それからずーっとずーっと同じ感じ。ジョンは「道が悪くてごめんなさいね!!」と言っていましたが、「昨日までのコンポンチュナンも同じ感じだったから大丈夫!」って返事したら笑っていました。

img_20161223_152051そしていよいよジョンの自宅に到着。コンポンチュナン州と同じでこのあたりも湿地帯。雨季になると洪水みたいになり1階は水につかるため、どの家も高床式になっています。2階が住まいで、1階は料理をしたり、ごはんを食べたり、くつろいだり、家畜がウロウロしていたり・・・とにかくいろいろです。寝る以外の時間はほとんど1階で過ごすことが多いようです。img_20161223_152458s

家には豚と鶏が飼われていました。豚には赤ちゃんが6匹ほどいてとってもかわいかったです。ずっとお母ちゃん豚はブーブーいいながら、結構いけずして赤ちゃんに乳を吸わせません。お腹が空いた赤ちゃんは見よう見まねで鼻先で土を掘ってミミズなどがいないか探しています。イケズなのか愛情なのか微妙なところですね(^^;

安田は豚を見ると2つのことを思い出します。それは父親の実家が養豚場で子どもの頃に遊びに行ったときの記憶。もう1つは「千と千尋の神隠し」です(^^)

img_20161223_160101s家の裏には池もあります。水面を見ているとたくさん魚がいそうです。「小さな池なのに・・・」と思っていたのですが、さっきの湿地帯と雨季の話と組み合わせると納得。この池に取り残されてしまったんですね。虫の鳴き声とときおり魚が跳ねる音。とってもリラックスした気分になります。ルアーかなんか使って魚釣りしたいなぁと思ってみたり・・・釣りに関して明日ここの池で色々なことが起こります。それは次のブログにて。

img_20161223_154752s生活用水はこの井戸から。ガソリンで稼働するポンプでくみ出すこともできます。料理をするのも、トイレを流すときも全部ここからの水を使います。飲み水はどうなんでしょうか。ジョンはミネラルウォーターをくれたのですが、僕以外はミネラルウォーターを飲んでいるところを見かけませんでした。あえてチャレンジはしませんでしたが・・・

家庭にも学校にも井戸が必ずといっていいほどあります。以前は日本からも学校に井戸をプレゼントするボランティア支援が盛んだったようです。ただ途中で枯れてしまったり、飲むのに適さないヨウ素成分が後から出てきたりと井戸も色々と難しいんだなぁと感じてしまいます。

img_20161223_160434s ハンモックに揺られているのはジョンの末娘。1歳。あと4歳の双子ちゃんがいるのですが、安田を怖がってしまって全然出てきません。結局写真を撮るチャンスがありませんでした(^^; カンボジアではハンモックの普及率が相当高いです。こうした地域の家にはほぼ確実にありますし、商店などでも店員さんが休憩のためにハンモックで一休みしているのもよく見かけます。

045s去年訪問したカエル餃子屋さんの写真がこちら。ここにもハンモックがあるのがお分かり頂けると思います。ちなみにカエル餃子とは安田が勝手につけている名前ですが、カエルのお腹に野菜をつめて串焼きしたものです。あまり信じてもらえないかもしれませんが、とってもおいしいです。

img_20161223_171648sあとこちらの少年たちはファミリーの子ども達。青い服を着た子どもが持っているのは大人気の駄菓子だとか。一口もらったらショウガ味の岩おこしの味でした。「一口ちょーだい!」とジェスチャーでお願いしてたら大人たちに「なんて子どもっぽいんだ!」と笑われてしまいました。「一口ちょーだい!」で1つ仲良くなれるんだったらいいですよねぇ。このあともう少し小さな女の子にも同じ手で話しかけてみました。こちらはベビースターラーメンのような味。子どもが好きな駄菓子の味も万国共通か・・・あと安田はすでに上半身裸です。お見苦しいところをすみません・・・この子たちとは、あの指さし会話の本を使って話をしました。やっぱりあの本、最強ですね(^^)

img_20161223_152329sそうこうしているうちに宴の料理の準備が進みます。1つ目はメコン川でとれた大きな魚。頭を落として、3枚におろして・・・あれ、頭落すだけ??鱗も取らず??結局このままでした。

この魚なんていうんでしょうねぇ。誰か知っていたら教えて下さい。情報は「メコン川でとれる」と「頭を落とすとこんな感じ」の2つだけです(^^;

img_20161223_162403s この魚はこのあとフライパンでそのまま焼かれて出てきました。皮が厚いのでどのみち食べません。だったら鱗も取らなくていいか・・・合理的。ちなみに川魚特有の泥臭さは皆無。おいしい白身でした。カンボジアの人が大好きな塩コショウ+味の素+ライム果汁のソースでおいしく頂きました。鱗のついた皮はしっかり焼かれてパリパリ状態に。少しかじってみましたが断念。食べてる際に出てくる骨や皮などはゴミ箱へ・・・ではなくその辺にポイッと捨てちゃいます。するとウロウロしているワンコが食べに来てくれます。
img_20161223_162520sさて、この魚の頭の方は・・・と思っていたらさすが無駄がありません。スープになって出てきました。頭と尾びれなどが入っていてダシがすごくとれていておいしかったです。尾びれはコラーゲンもたっぷり!こちらもおいしくいただきました。

img_20161223_152305s次は豚肉の方です。赤身とレバーを調理していました。豚肉の内蔵もときおり食べる安田にとっては馴染みの食材です。調理中、ものすごくハエがたかってきます。そりゃおいしいお肉だものねぇ・・・ここでも衛生面はあまり気にしません。火を通して食べるんだから大丈夫!。豚の内蔵といえば最近スーパーでも豚の舌を見かけることが多くなりましたね。あとレバーと心臓も。皆さんおいしさに気が付いたのでしょうか。私は大好きなので普及してくれるとうれしいです。

img_20161223_161156sで、できあがりがこれです。フレッシュな野菜と盛られてとってもおいしそうです。隣に写っているのがさっき書きました塩コショウ+味の素+ライム果汁のタレです。

ちなみに添えられる野菜はカンボジア滞在中でほぼ共通。レタスのような菜っ葉ときゅうり、にんじん、あと熟していない青いトマトです。全部フレッシュでおいしかったですよ~!

img_20161223_164916sさらにジョンのお母さんが1品追加してくれました。こちらは豚肉と高菜のような野菜を煮たものです。とても体に良いそうで特に胃腸に効く薬膳料理だとか。

ちなみにこちらの料理以外、先ほどの豚、魚は調理はすべて男衆がやっていました。女性は子どものお世話など。ちなみに食べたあとのお片付け、皿洗いも男性陣が積極的に行っていました~。

img_20161223_163233sそして宴の始まり。全員上半身裸になって飲んで食べて騒いで、とにかく楽しみました。この写真で1階の様子がよくわかると思います。雨もしのげるし風も通るしなかなか快適でした。

宴のメンバーは左からジョン、リー、チャイヤ、サー、そして安田です。宴のテーブルには女性陣は加わりません。後ろの方で女性陣だけでご飯を食べていました。一緒に飲んで騒いでっていう文化は無いのかもしれませんね。男だけで楽しんですみません!

img_20161223_175816sだんだん暗くなってきました。

「日が暮れれば暗くなる」

当たり前ですね・・・明かりはバッテリーにつながれた電燈1つです。趣があってとってもいい感じです。「キャンプしてるみたい」というえば伝わるでしょうか。

img_20161223_191923sどんどん暗くなっていきます。目は次第に慣れてくるから大丈夫ですが、火をかけた鍋も写真にとるとこんな感じです(^^)

暗闇に浮かび出るコンロの火。とってもきれいだったので思わず写真に撮ってしまいました。

ちなみにこのとき使っていたのはカセットコンロでした。他にもプロパンボンベ直結の五徳がついたコンロもありました。

何を作ってるのか見てみたくて近づいて、携帯のLEDライトをつけてみるとこんな感じ。

img_20161223_192733s実は安田のために鶏を一羽しめて料理してくれていました。「いつのまに・・・」と思いつつ、皆さんのおもてなしがとても嬉しかったです。

この鶏肉料理は一羽まるごとの鳥に薬草などを放り込んだ鍋で水分はあえて足さずにどんどん火にかけていきます。img_20161223_192540sだから当然鍋底は焦げて真っ黒。

でも次第に鶏肉から水分や油が出てきて良い感じになってきました。匂いも最高。

この薬草なんでしょうか・・・わかりませんがとにかくおいしそうです(^^)img_20161223_193027s

そしてこれが完成したところ。みんなでほぐしながらおいしく頂きました!

写真右上には唐辛子が写っていますね。ちなみにカンボジアで食べた料理の殆どはまったく辛くありません。ここへ来る前のタイ料理は辛かったですが・・・タイよりカンボジアの方が日本人の口に合う料理が多いのではないでしょうか。

img_20161223_200629sさて、食べたあとでちょっと汚い話ですみません。この写真はトイレです。真っ暗なところに懐中電灯片手で参りました。当然水洗ではありません。使ったあとは隣の水桶で水を汲んで流します。ちなみにトイレットペーパーなんて当然流せません。水桶の水でお尻を洗うスタイルです。このトイレ、色々なところで出会いましたが、私は大きい方はできませんでした。朝ホテルで済ませてから1日すごすサイクルでいけたので良かったのですが、いつかはチャレンジするときが来るでしょうか・・・

かなり宴もたけなわになってまいりまして、あたりは完全にまっくらです。実はずっと楽しみにしていたのが星空です。これだけ都会から離れていて、街灯も無い暗闇であれば相当きれいな星空が見られるはず。宴が始まったときは曇り空だったのですが、次第にすっかり晴れてきました。もう言葉を失う絶景の星空でした。星座に詳しくない私でもカシオペア座とオリオン座を見つけることができました。日本と全く同じ形をしています(当たり前ですが)。この星空を見て思ったのは、地球のどこからでも星空は眺められる。カンボジアでも日本でも同じ星座が眺められる。そんな1つの星にみんな住んでいるということでした。昨日までにあったたくさんの子ども達に、特に奨学金支援をしているあの子にもこのことを教えてあげれば良かったなぁ・・・今度来ることがあったら星座を説明するための写真を持ってこよう。

img_20161223_210016sそして宴も終了。2階に上がらせてもらうと真っ暗でした。ジョンが小さな明かりをつけてくれました。2階の様子はあまりよくわかりませんでしたが、板張りの床に敷物が敷いてあり、蚊帳がつるしてありました。その蚊帳にはいって横になったときの写真です。小さなあかりと蚊帳の網がうっすら写っています。

さぁ寝よう!!と・・・思っても練れません。何故なら大音量でラジオ音楽が流れているから(^^; そない大音量じゃなくてもいいんじゃないか・・・と思いつつ、でも仕切られていない大部屋だから大人のプライバシーを守るためにそういうこともあるかと納得してしまったのでした。酔いも深かったので、そんなことを考えているうちに眠ってしまいました。

で、ビールを飲んだら当然夜中にトイレに行きたくなります。時計を見ると午前3時。我慢しようか悩んだのですが、無理そうだし・・・それと「そう!星空!!」と思って意を決しておきました。真っ暗ななか携帯電話のLEDライトだけを頼りに戸を開け、階段を下り、トイレへ・・・途中、ワンコに出くわし心臓が飛び出るほど驚いて(^^;

トイレを澄まして星空ポイントに移動し、携帯電話のLEDライトを消しました。するとさっきよりももっと美しい星空がありました。北斗七星も見つかりました。夏の星座ですが赤道に近いここだと見えるのかな・・・と思ったり。皆さん、カシオペア座や北斗七星といえば何ですか?そう、学校で習った北極星を見つけるのに使う星座です。その方法に従って北極星を探してみると、地平近くの森の中の方向でした。

最後の天体観測を楽しんで再び床につきました。もちろん、先ほどの大音量ラジオは消えていましたよ(^^)

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